ぽん多本家、上野の老舗とんかつ店。

御徒町の駅から少し路地を入ったところ、雑多な賑わいの通り沿いにふと現れる重厚な木製の扉。
重たい観音扉のドアを開けると、そこは御徒町の喧騒からは想像できない別世界が広がります。

創業明治38年。
100年以上の歴史をもつ「ぽん多本家」は東京に数あるとんかつの名店のなかでも別格の存在感を放ちます。

ぽん多本家を訪れたのは平日の18:00前。
期待を胸に「ぽん多本家」に足を踏み入れてみると、すぐカウンター席が5~6席見え、オープン形式のキッチンで立ち働く料理人たちの姿が目に入る。
50~60代の彼ら料理人たちからだろうか、店全体から発せられるのだろうか、凛とした潔さとでもいえる独特の空気が店を包んでいる。

この日はすでに満席のようで、先客の二人組が席が空くのを待っている。
すかさず店員がメニューを持って来てくれて、待っているときに注文を取る、人気店によくある注文スタイルの様である。

お目当てだった「タンシチュー:4,320円」はもうすでに品切れ。
かわりにとんかつで名高い、ぽん多本家のとんかつと牡蛎フライを注文する。
とんかつは意外にもロースの1品のみでヒレや豚の種類産地によるバリエーションは一切なし。

名称は「カツレツ」お値段は2,700円。
牡蛎フライは2,900円。

その他メニューは車エビフライやポークソテー、エビコロッケ等の洋食屋さん的な内容で、お値段はどれも3,000前後とお高め。
ちなみに昼・夜ともに同じメニューが使われている様子。

注文をオーダーして、しばらくぽん多本家の店内の様子を眺めながら席が空くのを待つ。
オープンになった厨房の中では、まさに職人といえる料理人たちが黙々と調理にあたっている。
時折会話を交わしながらも、整然と洗練された職人の仕事が垣間見えて眺めていても飽きることがない。

しばらくして2階のテーブル席に通される。
店内のいたるところ隙なく手入れされ、古さというより老舗の余裕を感じる。

高級料亭とも違う、食堂とも違うぽん多本家オリジナルの空気感といったところだろうか。
オーダーは済ませていたので待つこと数分ほどで料理が運ばれてきた。

お皿はすべて大倉陶園のもの。
牡蛎フライもカツレツも同様に赤出しと香の物、ご飯がセットでついてきます。
料理についての感想は、すべてがクオリティが極めて高い!の一言。

添えられたキャベツの千切りひとつとってみても、決して機械では出すことができない触感の妙味が味わえます。
赤出しも香の物も欠点のつけようがないほど、丁寧に作られ、供されていることがわかります。

なので、もちろんメインの牡蛎フライもカツレツもお値段相応の出来栄え。
というより、決して安くはない値段設定にもかかわらず、思わず安いと思ってしまうほど。

ぽん多本家は接客もきびきびと、しかし余裕のある仕事っぷりで店に滞在中嫌な思いをすることは全くありませんでした。
人気店にも係わらずゆったりとした老舗の雰囲気が漂っているのも、この店員さんたちと職人さんでつくりだしたものだと感じます。
また来客層も落ち着いた感じの方が多かったように思います。

ただ一つ残念だったのが、閉店時間がPM20:00と東京ではとても早いということ。
人気のメニューは時間が遅くなると売り切れになるみたいなので、早めの来店が必須になります。
もちろん、いろんなレビューを確認して行く人たちには心配ないかもしれませんが。。。

ぽん多本家は、価格帯が若干高いものの、それを前もって理解していけば、行って損することはまずない納得の老舗だと思います。
是非みなさまも一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

店名:ぽん多本家
住所:東京都台東区上野3-23-3
電話:03-3831-2351